Case
導入事例
「ニーズの半歩先」を提供する為の、国内居住者・インバウンド人流分析

- アフターコロナで復調した自社施設への来訪における、来訪者全体のポテンシャルとそのニーズを知りたい。
- Datawise Area Marketer 国内居住者とインバウンド版の活用により、自社施設やその周辺への来訪者属性や傾向を確認。
- 分析結果から未購買者を含む自社施設来訪者の国籍等の属性とポテンシャルニーズを把握。店舗構成や販促等の裏付けデータとしても活用。
購買していない方を含む、来訪者全体のポテンシャルニーズを知る為に
貴社が人流分析にご興味を持たれた背景についてお聞かせください。
我々はターミナル駅に点在している自社施設について、来訪者のニーズを紐解くマーケティング業務を行っています。コロナ禍当時には「ecute」や「GRANSTA」といった商業施設への来訪が鈍化したことを受け、GPSデータを使って来訪者の人流について客観的な指標を用いて分析することとなり、GPSデータを分析するサービスを様々試しましたが、最終的に Datawise Area Marketer 国内居住者版を導入させて頂くことになりました。
Datawise Area Marketer 国内居住者版を導入されたことで、何か変化はありましたか?
弊社で取れる売上データやカード会員様のデータ等は把握できていました。しかしそれだけだと「来たけど何も買っていない人」や「カード会員ではない人」の動きまでは把握できません。これらの購買手前の来訪者のニーズについて捉え切れていなかったと言えます。Datawise Area Marketer 国内居住者版で分析すれば、購買していない方を含むエキナカ来訪者の性別・年齢や家族構成・年収帯といった詳細属性がドコモのビッグデータでわかります。これにより、購買していない方を含む来訪者全体のポテンシャルとしてのニーズ分析をすることが可能になりました。
また、ベンチマーク先の他の商業施設であったり、自社が管理している以外の施設に関しても自社施設とまったく同様に自由に分析、自社施設と比較できます。こちらもいままではリーチできなかった部分なので、大変参考になりました。
インバウンド需要の復活とその対応
そういった中で Datawise Area Marketer インバウンド版がリリースされましたが、そのことは貴社にどう映っていましたか?
細かい機能でもそうですが、データワイズさんが製品開発する圧倒的なスピード感が凄いなと(笑)。営業担当の方から開発画面を見せて頂き、ちょうど自分たちにとって必要な機能が揃ってそうだと感じました。
「自分たちにとって必要な機能」とのことですが、その頃、貴社ではどんな課題がおありだったんでしょうか?
コロナ禍が明けて以降、「ecute」も「GRANSTA」もインバウンド旅行者の来客数がどんどん復調してきていました。この復調を定量的に把握するべく、情報を集めていました。具体的には、免税でのお買い物の割合、海外のクレジットカードの利用傾向・購入層・ショップの種類などのデータを収集していました。しかし、これだと今、購買いただいている方のニーズしかわかりません。
弊社としては、インバウンドについても国内居住者と同様に、購買されない方を含むインバウンド来訪者全体のポテンシャルを捉えたいと考えていました。日本の人口減、一方で世界は人口増、そして現在の日本はインバウンド好景気である背景を踏まえ、インバウンド需要の取り込みはチャンスだと考えます。そのような中、インバウンドの方は国籍も様々でニーズも多様、国内居住者の方よりもそのニーズは把握しきれていないことが多い。購買されていない方を含めて、エキナカにいらっしゃっている方々の国籍と人数を把握することで、実現しうる売上のポテンシャルを把握したいと考えていたのです。
やはりインバウンドに関しても「購入の一歩手前」でどんな人がどのように動いているのかが重要だったわけですね。
Datawise Area Marketer インバウンド版の説明を受けられた、その第一印象を詳しく聞かせて頂けますか?
インバウンド分析の為に、他社のツールも比較検討しましたが、他社製品は分析する範囲の指定単位が広すぎる印象をもちました。弊社で運営している施設を分析する為には、範囲の指定単位が広すぎると使いづらいのです。(この辺りは Datawise Area Marketer 国内居住者版でも満足している部分で)Datawise Area Marketer インバウンド版においても、特定の場所を地図上で囲うことでその囲った施設について分析できる、という点に非常に魅力を感じました。
また、インバウンド分析においては、そもそもインバウンド来訪客の方がどこに集まっているかがよくわからないことが課題になっています。この課題に対して、Datawise Area Marketer インバウンド版には「ホットスポット分析」機能があります。125m x 125m のメッシュ単位で、施設の周辺のどの辺に、どの国籍のインバウンド旅行者が集まっているのかを知ることができます。これを分析することでその方たちにどんなプロモーションをかければいいのかを考えられるようになったのは画期的でした。
多様な機能でマーケティングの可能性を拡げる
まさに貴社の課題に合致したご利用が出来そうだと。
Datawise Area Marketer インバウンド版を実際に操作してみていかがでしたか?
Datawise Area Marketer インバウンド版は、インバウンド来訪客が滞在する「空間」、その「属性」、そして「行動」の各観点から、多面的にインバウンド需要を分析できることを実感しました。
「空間」については、前述のホットスポット分析により、インバウンド客の興味があるエリア、逆に興味がないエリアを捉えることができ、いくつも新たな発見がありました。
「属性」については、国籍別に細かく分析することで、国ごとの特徴を明らかにすることができました。例えば、肌感覚で捉えていた「Aという施設の来訪者はアジア系が多い」という仮説を定量的に捉えることができました。
「行動」の観点では、インバウンド来訪者をその滞在傾向別に「通過」「滞在」「宿泊」というように絞った分析が出来るという点が、非常にわかりやすかったです。施設をただ「通過」しているのか、それとも30分以上「滞在」しているのか、また「宿泊」地として利用しているのか。
これら「空間」「属性」「行動」情報を掛け合わせることで、「ecute」や「GRANSTA」にいらっしゃるインバウンド来訪客の解像度を高めることができました。
細かい機能面でもしっかり使えるものと感じて頂いたんですね。
今はどのように活用されているのでしょうか?
主に現状把握を徹底する為に使っています。自社施設にどんな国籍の人が来ているのか?どんな滞在傾向にあるのか?自社施設のまわりにどれくらいインバウンド旅行者がいるのか?といった部分を捉えに行ってます。海外で行われるインバウンド向けの展示会であったり、春節等のPDCAを回す為に活用できると考えています。
また、国内居住者版を利用させて頂いている当時から、弊社内で説明会や勉強会を行うなど、社内での情報共有に積極的に活用させて頂いています。画面デザインやUIが非常にわかりやすいからこそできることですね。インバウンド版についてはインバウンド系の業務に携わっているメンバーとの間で分析結果を共有し合うこともできました。
では、Datawise Area Marketer インバウンド版の魅力について、3点伺えますか?
- 自由に設定できる分析対象設定方法:我々のような駅の中にあって複雑な構造をしている施設では特に重宝します。
- 自社施設以外も同条件で分析できる汎用性の高さ:国内居住者版もそうですが、競合比較などもしやすいので、マーケティングの幅が拡がりました。
- アップデートのスピード感:インバウンド版を使い始めてからも隔週頻度でどんどん新しいアップデートをし続けていることはさすがです。
「ニーズの半歩先」を読み、魅力的な購買体験を創造する
ありがとうございます。
では、今後データワイズに期待されていることは何でしょうか?
もともと国内居住者版を長く使わせてもらっていた中で、これからはインバウンド旅行者も見れたらいいなと思っていたところがあり、ジャストタイミングでインバウンド版のリリースを頂いたことが大変うれしかったです。
国内居住者版も含めてですが、どんどん製品がアップデートされる「進化が止まらないサービスを提供している」という印象を持っています。インバウンド版もどんどんアップデートして更なる進化を続けて欲しいのと、それに伴うサポート体制についてもこれまで通り継続していただきたいなと思います。
ありがとうございました。
では最後に、貴社の今後についての思いを是非お聞かせください。
コロナ前後で大きく変わったこととして、「ニーズを読むこと」の重要性が各段に増したと考えています。コロナ禍前は、「人が集まれば商品が売れる」という状態だったのに対して、コロナ禍で「集まった人のニーズを把握して販売する」ことが商売の前提の時代になったと考えています。
直近では、インバウンド旅行者の方も増え、お客様のニーズがさらに多様化しています。お客様のニーズを分析、把握することがこれほど重要になった時代はかつてないのではないでしょうか。
弊社としてはこの「ニーズをしっかり掴みに行く」ことを至上命題だと捉え、把握したニーズをもとにPDCAを回していけるようにしたいと思っています。
鉄道利用者だけではなく、また国内居住者の方だけでなく、広く『「ecute」や「GRANSTA」に行きたい!』という人をいかに増やすかを考えるために、目指したいのは「ニーズの半歩先」です。購買データだけでなく人流データから潜在ニーズを読み、さらにはデータが示す来訪者のニーズそのものイコールではなく、その半歩先を想像し、商品・サービスをご提供していくことで、来訪者の購買体験をより魅力的なものに出来るようにしていきたいと思います。