小売業は時代と共に変化しており、昨今では顧客の期待もますます高まっています。デジタル技術の進化や消費者の行動変化により、小売業者は新たなマーケティング戦略を模索せざるを得ません。

本記事では、小売業のマーケティングにおいて、考慮すべき点や具体的に効果を得られる手法を、事例などを踏まえて徹底的に解説していきます！

小売業のマーケティングとは？現状と取り組むべき理由

そもそもマーケティングとは、商品やサービスを販売するにあたり、顧客のニーズや希望に応えるための様々な戦略を計画することです。ではそれを小売業に当てはめて考えてみるとどうでしょうか。具体的には、以下のようなものが挙げられます！

• 商品やサービスの企画・発案
• 価格の設定
• 販売促進
• 広告・宣伝

これらを戦略的に計画していくことで、マーケティングの主な目標である、顧客のニーズや要望を理解し、それに基づいて商品やサービスを提供することが可能となります。そして、結果的に収益を最大化し企業やブランドの成長できるということになります。

小売業のマーケティングの現状

近年では小売業も、しっかりとマーケティングを行う事例が増えてきています。とはいえ、他の業界に比べてまだまだ浸透していないという現実もあります。その背景には、新規顧客獲得の戦略よりも、まずは仕入状況や従業員の配置の見直しなど、リスクを抑えることに注力する企業が多いという側面があるからです。もちろん、これらも店舗運営をしていく上では必要なことではありますが、もっと重要なのはそのプロセスです。

なんとなく売り上げが悪いから、なんとなく客足が減っているから、といった理由から運営の見直しを行うのではなく、しっかりと現状把握をし、数字を可視化した上で、仕入の見直し、店舗運営の見直しなどを行っていくのがマーケティングです。この先ますます競争が激化し業績を上げられる企業と、そうでない企業の差が明確になっていくことが考えられます。その為に、まだ本格的なマーケティング戦略を行なっていないという小売業者の皆様は、現代のマーケティングについて理解を深めていくことをおすすめします！

小売業のマーケティング手法は？基本的な5つのステップ

小売業のマーケティングは、新規出店と既出店舗のようにフェーズによっても異なりますが、基本的に以下のような流れで行われます。

1. 現状の把握と市場調査
2. ターゲットの選定（見直し）
3. 商圏分析
4. 広告・宣伝の計画
5. 効果分析

一つずつ細かく見ていきましょう。

1. 現状の把握と市場調査

マーケティングの基本は現状の把握からです。まずは現在置かれている状況や、この先どのような方向に進めていきたいのかを明確にすることが大切です。例えば既存店舗であれば、顧客の属性であったり、時間帯ごとの客足の変化など、細かな部分までしっかりと可視化することをおすすめします。新規出店の場合であれば、現状その場所にはどのようなニーズがあるのか、居住者が多いのか通勤者が多いのかなど、候補地やその周辺の市場を理解しましょう。

2. ターゲットの選定（見直し）

次にターゲットを明確に定めることも重要です。ここでは、「若い男性」「中高年の女性」など、ぼんやりとしたターゲット選定ではなく、より具体的に定めていくことをおすすめします。同じ若い男性でも、新卒で就職し一人暮らしを始めたばかりの男性と、結婚し子供も居る自営業の男性では、ニーズが異なることが想像できます。自社の商品やサービスを届けたい相手はどんな人物なのかをしっかりと定め、その上でどのようにアプローチするのが効果的なのかを探りましょう。

3. 商圏分析

商圏分析とは、新しい店舗を開設する場所を選定したり、既存の店舗の売上を最大化するためのマーケティング戦略を立てる際に、「ここにお店をオープンした場合、どこから、どのくらいの人が訪れるのか」という想定から、オープン後に実際どうだったのか、この先どうなっていくのかなどを分析していくことを言います。

商圏分析に関してより詳しく解説している記事がありますので、是非そちらを参考にしてください！

4. 広告・宣伝の計画

ここまでのことを進めてきた上で、実際に商品やサービスを宣伝していくフェーズに入ります。この商品を売るために、どの場所に広告を出せばより多くのターゲットに見てもらえるかなどをしっかりと考えることが大切です。チラシなどでも同様です。

5. 効果分析

マーケティングのことを理解していく上で「PDCAサイクル」という言葉を目にすることがあるかと思います。これはPlan（計画）、Do（実行）、Check（測定・評価）、Action（対策・改善）の頭文字を取ったビジネス用語で、あらゆる施策の質を高めていくために用いられる概念です。このPDCAで言えば上記4項目はPlan（計画）、Do（実行）の部分にあたり、効果分析がCheck（測定・評価）に当たります。

実行してみた結果、目的としていた顧客増加には繋がったのか、売上のアップは実現できたのかなど、今回の施策でどのような効果があったのか、またはなかったのかなどをしっかりと分析しましょう。そして次回の施策を考える際に今回の分析結果を落とし込み、繰り返していく中で徐々にマーケティングの質が上がっていきます。

小売業のマーケティングに最適なツール

弊社が提供するDatawise Area Marketerは、9,600万人(*1)の会員を持つドコモのdポイントクラブアンケートを基にしたビッグデータと連携し任意の施設への来訪者のユーザー属性を「性別」「年代」などはもちろん「年収」「世帯構成」など、細かく情報を取得することが可能です。そうした属性の他にも「出店候補エリアの需要」「ターゲットが集まる場所と時間」「出店候補物件付近の交通量」「去年と比較した来訪者数やその属性の変化」「近くにある競合店の来客数やその属性」といったさまざまな情報を直感的な操作で分析することが可能です。これまでの人流データ解析ツールは操作に専門的な知識や労力を要しましたが、マーケティングを行う上で必要となる情報の多くを、簡単な操作で取得することが出来るので実際に様々な場面でご活用いただいています。

*1… 2024年1月現在

小売業のマーケティング事例のご紹介

株式会社プロントコーポレーションでは、昨今のコロナ禍による来客減少を受けてリブランディングを実施し、その施策による効果の検証にDatawise Area Marketerを活用しています。
詳しい内容やインタビューをまとめていますのでご覧ください。

まとめ

小売業にとってもマーケティングは必要不可欠なものになりつつあります。本記事では、おすすめの手法や、最適なツールをご紹介させていただきました！本ブログではマーケティングに関する様々な情報を発信しています。是非関連記事もご覧いただければと思います！